師走に突入しました。今年も残すところあとわずかです。年々一年が短く感じられます。歳だなぁ(^^;。
今週の新着目録です。1960年代の小学館「少女コミック5冊」、曙出版の鈴原研一郎が8冊、ぽるぷ出版の平和漫画シリーズが5冊、あと少々です。
まずは小学館「少女コミック」。今回1969年8月22日創刊号という物があります。これはまあ本当の創刊号ではなくて、月2回刊行になった際の創刊号の意味です。長いこと雑誌を扱ってようやく「少女コミック」の変遷も分かってきました。今回ちょっとご紹介。
こちらが本当の創刊号「少女コミック1968年5月号」です。定価は130円でした。
で、こちらが今回の目録掲載の「少女コミック1969年8月22日創刊号」。月刊から月2回刊行に変更され、定価は100円に値下げされました。
それから1年も経たずに「別冊少女コミック」と「週刊少女コミック」に分離。左の画像が「別冊少女コミック1970年5月号」創刊号。定価は130円。右が「週刊少女コミック1970年4月19日号」創刊号。定価は80円でした。
そんなわけで今週の目録の解説です。年代順に行きます。
「少女コミック1968年12月増刊号」です。表紙は当時の小学館における少女漫画のメインだった谷ゆきこ。右上画像のピンナップは高橋真琴。漫画の方も谷ゆきこ「白鳥の星 <白鳥の湖編>」が掲載(左下画像)。松本零士の単行本未収録作品「火の森のコーシカ」も掲載(右下画像)されております。ちょっとコンディション悪いですが、内容はピカイチです。
月刊の」「少女コミック」の最終号となる1969年8月号です。表紙は漫画より写真中心の表紙です。上原きみこ、松尾美保子、灘しげみなどが主筆です。高橋真琴のピンナップも定番のようです。
「少女コミック1969年8月22日号」創刊号です。一応創刊号と銘打っているので、前の連載を引き継ぐことはなかったようです。全ての作品が新連載&読切りです。細川知栄子「愛の泉」がこれより連載で、表紙といい、折り込みのカラー扉と云い気合いが入っております。右上、牧美也子「恋のパワーはハイダッシュ」は時代感じさせます。衣装は小川ローザのCMを明らかに意識しております。「オー・モーレツ!」という言葉が流行った時代でした。
「少女コミック1969年11月14日号」通巻6号目です。ここでも細川知栄子が表紙と折り込みカラー扉を飾っております。他に牧美也子「太陽はひとつ」。牧美也子もこの時期少女コミックで描いているようです。少女漫画としては末期の時代ですね。
「少女コミック1969年11月28日号」通巻7号。ここでも細川知栄子「愛の泉」折り込みカラー扉です。随分と人気があったのが伺えます。他には灘しげみ「勝利にアタック!」が新連載です。
雑誌意外の単行本に移ります。
まずは戦争漫画(という言い方は語弊がありますが”平和漫画”という言い方もしっくり来ません)です。
ほるぷ平和漫画シリーズです。全部で27巻でましたが、残念ながらシリーズとして完結しませんでした。そのため一部未完で終わっている作品もあります。
左上から、いけうち誠一「禁じられた戦史」、立花誠太郎「人間の条件 1」、巴里夫「疎開っ子数え歌」、旭丘光志「ある惑星の悲劇」、わたなべまさこ「この愛・戦火をこえて」、政岡としや「ボクちゃんの戦場」、飯森広一「トンキー物語」。最後は漫画でなくて漫画評論なんですが、このシリーズに併せて出版された石子順「漫画にみる戦争と平和90年」です。どこから90年かと云えば西南戦争から90年という事のようです。
このシリーズは古書としては結構定番ですが、発売当時はあまり売れなかったようです。収録されている漫画作品も昔の少年マンガ(少年マガジン)とか少女漫画(週刊マーガレットやりぼん)などに掲載されていたものです。最近の漫画雑誌ではこのような平和啓蒙の漫画というのはほとんど見られません。時代が違うと云えば違うのかも知れませんが、たまには出版社の心意気みたいな作品を見てみたい物だと思います。
お次は曙出版の鈴原健一作品。
今回は全部で8冊目録に出しました。60年代に出たシリーズは、大体月に1冊ペースで書き下ろされていたようです。70年代にもロマンコンパクトとして出ていますが、前のシリーズとは一貫性がないようです。全部でどれだけ出ていたかは、ちょっと不明です。
最後は珍しく男性向け。
小池桂一のカルトコミック「スピノザ」全2巻です。オールカラーコミックで1頁に1コマずつ描かれております。かなり珍しい本です。
今週はこんなところで。来週はマーガレットコミックスのビニカバ版とか辺りです。余裕があったら週刊少女フレンドを出したいと思いますが、予定で云えばちょっと余裕がない(^^;
それでは、また〜(^^)/~~