神保町裏通り日記  
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11月27日(土)
天気(晴)
売上(^_^)

 

 

 年の瀬に近づくと売上もナニゲに向上してきます。来年は倉庫スペースを確保しようと野望に燃えています。

 今週の新着目録です。今週はバレエ特集ということでしたが、いざと用意してみるとそれほど冊数がありませんでした(^^;。プチ・バレエ特集と言うことでご勘弁をm(_ _)m

 今回の目玉は新書版でのバレエ漫画最高峰「ガラスの靴」です。ビニールコートのないてんとう虫コミックスでこれだけの美本が出ることはまず無いだろうと言うほどの状態の良さです。

 お次は貸本から

 

 左が渡辺雅子(わたなべまさこ)の初期単行本(奥付がないが昭和31年から32年のもの)「白鳥のワルツ」。右がうちのすみお「白鳥の湖」。

 そして「泉」別冊バレー特集号。

 

 初期「泉」の豪華な連載陣です。わたなべまさこ「一つの小さな物語」は全14頁オールカラーです。

 

 左が巴里夫「母はみている」。いそじましげじが巴里夫に名義を変えてまだ1年くらいの頃です。右がこだま次吉「くじゃく姫」。絵が手塚調でちょっと良いです。

 

 左が若木の代表格赤松セツ子の「白い椿の散るように」。右が彩田あきら「白鳥の夢」。

 次は集英社の「少女ブック1958年7月号」です。

 

 この頃はどの少女雑誌にもバレエシーンの写真グラビアが載っておりました。理由はよく分らないのですが、なぜかほとんどが屋外なんです。モデルは鰐淵晴子・朗子姉妹です。姉妹の写真は結構珍しいのでは?

 このころの少女ブックの売りはなんといっても楳図かずお「母よぶこえ」です。おそらく唯一のバレエ物ではないでしょうか。本人もバレエ物はかなり不本意だったようで、未だに単行本化されません。

 バレエ物はここまでです。お次は1960年8月号光文社「少女」です。やはりまあなんといっても高橋真琴が売りでした。

 

 久しぶりの牧かずまです。まだ牧数馬名義のころの曙出版「くれない天兵」です。

 

 年代的には白土三平の手伝いが入っているはずの時期で、後半部の絵柄にそれらしき雰囲気がありますが、あまり確かなことはいえません。

 

 こちらも久しぶりの入荷りぼんカラーシリーズです。つのだじろう「すみれ雲のうた」と棚下てるお「ゴールデンリボン」です。

 

 最後に先日紹介した池辺ハナコの初単行本「他人様の口唇に悪戯して楽し」。この作品集が珠玉といっても良い出来具合です。右はたった2冊の単行本を出して消えてしまった三岸せいこの「夢みる星にふる雨は…」です。独特のファンタジー世界を築いていて、個人的にはかなりお気に入りでした。こちらも久しぶりの入荷です。

 来週はまた雑誌をアップです。別マ、少コミ、花とゆめあたりです(^^;

 

 

11月20日(土)
天気(曇)
売上(^_^)

 

 

 FAXが故障したので新しいのを買い直して、交換設置した瞬間古い方のFAXの故障がごく単純なトラブルであり、あっさりと直ってしまいました。せっかく買い直したのに〜(T_T)。悪夢のような罠でした_| ̄|○

 今週の新着目録です。先週打ち込んだのにアップし忘れた(^^;貸本マンガと雑誌の方は別マがちょっとと花とゆめと週刊少コミです。

 別コミは、前回掲載時に見あたらなかった「パンドラの秘密 後編」が掲載された1972年10月号が出てきました。これには西谷祥子の単行本未収録「白鳥の歌 前編」も載っています。西谷祥子には珍しいバレエ物です。

 

 少コミは1975年の後半(27号から51号)です。やはり目立つのが男性作家の多用です。長期連載の楳図かずおを初めとして、手塚治虫、横山光輝、石森章太郎、松久由宇、あだち充、篠原とおるなどがおりました。これはやはり新人の作家陣の層が薄いため、同じ小学館の他紙から応援して貰ったということでしょうか。

 手塚治虫「虹のプレリュード」4回連載。ラストはかなりはしょったような展開で、ひょっとして打ち切られたのか?

 篠原とおる「白衣の天使なんかいやしない!」。異色といえば異色の組み合わせだけれども、やはり篠原とおるに少女マンガは似合わない(^^;

 他に見所は睦月とみ(矢代まさこ)単行本未収録「かわいそうなイヴォンヌ!」とまだ新人の粕谷紀子。

 

 粕谷紀子は地味な作風のためあまり大ヒットの作品はないのですが、宝塚の原作にもなった「風のゆくえ」やTVドラマ化された「離婚予定日」などがあり、近年再評価が進んでおります。デビュー初期から堅実で良い作品を描いておりましたが、その作品のレベルに対して評価が低かったのは、ひとえに時代とのマッチングが悪かったのだろうと思います。現在も執筆を続けておりますので、今後評価はどんどんと高まるだろうと思います。

 花とゆめの方は、やはり前回載せられなかった74年11月号と75年の頭の方です。見所は巴里夫単行本未収録「次の問に答えよ」。

 他おすすめは花とゆめデビューの高野正子(高野まさこ)と島みちこと坂田靖子のデビュー作品です。

 

 来週はちょっと雑誌をお休みしてバレエ特集でもしてみようかと思います。

 

 

11月13日(土)
天気(晴)
売上(薄曇)

 

 水難で濡れた本の中でも、もったいない部類はちょっと店先で干していたりします。しかし中までびっしりと濡れた本は、そう簡単には乾きません。カビるのが先か乾くのが先か微妙なところです(^^;

 今週の新着目録は、デラマと別マと貸本ちょっと宇宙物です。

 

 左が1971年夏の号、右が1976年夏の号です。1967年の創刊から続いていた高橋真琴の表紙絵も1976年春の号で終わりを告げました。どの雑誌にもいえることですが、1970年代後半から表紙に関しては連載中の作品を掲げることが主流となり、雑誌のカラーが見えにくくなり始めます。善し悪しはいろいろとあるんでしょうが、ちょっとさびしくもあります。

 

 別マの表紙を飾っていた金髪少女も年を追うごとに写真サイズが小さくなり1976年あたりで消滅します。ここら辺が、少女漫画のひとつの変化点ではあると思われます。

 今週掲載の1973年ころの売りは、やはり西谷祥子でしょう。単行本未収録が2作品あります。

 

 左が1973年9月号掲載「令子さんの夏」。右が1973年12月号掲載「赤い季節に」です。

 他は個人的にお勧めの、池部ハナコ「ラヂオ屋の電波使い」と「告白女の縄」です。

 

 ファンタジックな設定の割には、かなりシビアな人間の性を描く池辺ハナコの2作品。右は100部限定の同人誌。

  

 久しぶりに宇宙物入荷。左は原田三夫「人工衛星と宇宙旅行」。子ども向けながら図版や写真が多くて結構読み応えはあります。右が1960年に晴海の国際貿易センターで行われた「宇宙大博覧会」のパンフレット。アメリカ主体ですがソ連の展示もありました。日本はまだカッパロケットの頃でした。

 来週は「花とゆめ」と「少コミ」あたりを行きます。

 

 

11月6日(土)
天気曇)
売上(曇時々晴)

 

 ちょっと所用があって愛知の方に出かけておりました。3日ぶりに店に戻ったら、店内が水難でえらいことになっていました_| ̄|○。本の被害は幸いそれほどたいしたことは無かったのですが(それでも100冊以上は廃棄)、店内の片づけでまた1日潰れてしまいました_| ̄|○。

 そんななんやで今週の新着目録は、あんまり進みませんでしたm(_ _)m

 今週は『花とゆめ』です。発行の白泉社は、集英社の子会社です。1974年6月号が創刊号で当初は月刊誌としてスタートしました。翌1975年2月に月2回発行となります。

 

 左が1974年6月創刊号。右が1975年2月3日号月2回刊行化の第1号。

 創刊当時の連載陣は、りぼんと別マからの借用です。創刊号の値段は付録付で280円。フルカラー頁が30頁もあり、特に巻頭の美内すずえ『白ゆりの騎士』は全16頁が全てオールカラーという大盤振る舞いでした。

 部数を飛躍的に伸ばすのは1976年新年号スタートの美内すずえ「ガラスの仮面」、和田慎二「スケバン刑事」のふたつの連載による貢献がなんといっても大きいです。この連載により男性読者層が増えたのは確実だと思われます(^_^)

 今週は3つの新刊本を紹介します。

 まずひとつは幻堂発行、田井亮子「瞬の扉(たまゆらのとびら)」。

 こちらは当店でピンバッジと豆本のおまけ付で通販します。

 

 左が池谷伊佐夫著「神保町の蟲 新東京古書店グラフティ」。古書マニアでイラストレーターでもある著者が味わいのある店内イラストを本に古書店を紹介した本です。当店もイラスト付で掲載されております。

 右が松本零士・日高敏著「漫画大博物館」です。以前ブロンズ社から発行された『漫画歴史大博物館』の新装増補改訂版にあたります。小学館からの発行で内容も大分追加されております。当店も資料提供で協力致しました。

 こちらの2冊は当店では通販しておりません。一般の書店でお買い求め下さい。

 

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮