神保町裏通り日記  
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2002年
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11月29日(土)
天気(晴)
売上(^_^)


 お店は神保町にあるとは云ってもメインストリートの靖国通りに在るわけではなく、神保町交差点から明大方面に向かう、白山通りに並行した裏通りにあります(特に通りに名前はなく、白山通りと錦華通りに挟まれた通り)。神保町のメインは靖国通り南側とすずらん通り地帯になりますが、最近は北側のエリアにも古書店が点在するようになって来ました。
 お店は裏通りといっても、そこそこ目立つ場所にあるため、道を尋ねるお人が結構来ます。古書店を探している人なら、こちらもある程度把握しているのでよいのですが、出版社や印刷屋を探す人も結構多くて、こちらが難物です。意外と2階より上の一室でやっている小さな出版社というのはゴロゴロしているのです。しかも看板が出ているようなところは、まあ数えるほどしかないのが実情です。聞かれて答えられることは1割もありません。
 この付近は、直線の道が多く地理的にはそれほどややこしいわけではないのですが、それでも道を尋ねる人が多いのには理由があります。狭い路地があったり、小さな雑居ビルがあるのも理由ではあるのですが、もうひとつ大きな理由があります。それは偶数番地と奇数番地が全然別なエリアにあることです。たとえば私の店は神田神保町1丁目34番地です。1丁目35番地を探して誰かが、私の店の付近をウロウロします。ひとつの番地区画は15mから20mくらいなものです。34番地の次を探すと36番地になっています。35番地はどうしても見つかりません。思い余って私の店に入り35番地を尋ねるということになります。さてそれでは35番地はどこにあるかというと・・・靖国通りをはさんで600mほど離れた地点にあります。要するに神田神保町という街は靖国通りを挟んで偶数番地と奇数番地を交互に配置してあるのです。誰がこんな割り振りをしたのかは知りませんが、このおかげで荷物配達のドライバーなどが罠にはまったりします。しかもこの地域は一方通行の巣みたいなもんですから、そうは簡単に行きたい場所に行けないようになっています。車で迷うと恐ろしい地帯なんです。

 さて今週の新着目録です。今週は少女漫画のセット物と画集系に面白いものが入荷しました。『シュガーベビー』などもだんだんと人気が高まり全巻そろえるのが難しくなってきました。『マホーランドのマジョリカ』などもなかなかレアになってきたと思います。
 画集での目玉は、山岸涼子『日出処の天子2』。チェリッシュギャラリーのなかでも余り見かけないものです。 もうひとつは、花郁悠紀子『花宵闇』。26歳の若さで夭折した少女漫画家の唯一の画集です。
 余談なんですが、花郁悠紀子(かい・ゆきこ)の実妹は波津彬子(はつ・あきこ)というやはり少女漫画家です。 どちらも変わったペンネームだなぁと思っていたら、本名の苗字は開発(かいはつ)という、これまた変わった苗字だそうです。なるほどねぇ姉妹で花郁・波津(かい・はつ)だったんですね。
 今週の目録の中で一押しは、坂田靖子「ARE YOU MOVING? 引越していくあなたへ」です。これはジャンル的には詩画集になるかと思いますが、角川GREETING BOOKと銘うたれ、書店よりはファンシーショップなどで売られたのではないかと思われます。おそらくグリーティングカードの代わりに冊子を送ろうと企画されたものの様で、本来は専用の透明封筒が付いていたようなのですが、残念ながら欠品です。でもこれを実際にグリーティングカード代わりに使用された方っていらっしゃるんですかね?

 

11月22日(金)
天気(曇)
売上(^_^)

 

 なんだか最近普通の本が全然売れなくて、特殊な本ばかりが売れます。先週予告した池川伸治『きちがい料理』は、目録に掲載した瞬間矢のように売れてしまいました(^^;。そんなわけで中身の紹介文を書くにも書けず、せめて中身の画像の一部をここに置いておきます。樽のドラムを叩くおばあちゃんが料理人なんですが、最高に変でよかったです。

 閉店間際にほろ酔い加減のお客様がぶらりと入ってきて、安めの和本やら料理関係本をどかどかとカウンターに積み上げてお買いいただく。この手の本がなかなか売れずにいたので大変嬉しい。もう少し和本関係もちゃんと整理しなければなぁ。

 閉店後、H書房へ行く。大山学(大山まなぶ)の80年代の原稿を購入する。このひとも貸本時代の後期から、ガロを経由して80年代劇画まで活躍された。大変達者な絵を描くが、器用すぎたのが災いしてか残念ながら代表作がない。う〜ん、どうやって売ろうか(-_-;

 

11月16日(土)
天気(曇)
売上(T_T)
 

リピートでホームページに訪れてくれるお客さんに対して、更新されるのが目録だけというのは。余りといえば余りに愛想なしなので暇つぶしの読み物くらいになるように日記の欄を増設します。

 開店して8ヶ月、ホームページ開設から7ヶ月。今までこちらのホームページに日記を書かなかったのは、書き始めると愚痴ばかり書く事になりそうで恐ろしかったからです(笑)。愚痴に関しては、隣の欄のお天気マークで代用することにして、こちらでは新着目録に対する補足説明やお店での出来事、本にまつわる雑感などを書いていこうと思います。

 11月に入って、貸本マンガが大量に入荷しました。現在整理にオオワラワなのです(^^;。今回その中から整理のついたものを新着目録に掲載しました。今回掲載の目玉はなんと言っても『日の丸戦記 創刊号』です。表紙を水木しげるが描いています。内容は水木しげる「二人の中尉」、辰巳ヨシヒロの戦記物という異色ダネもあり、更に巻末には撃墜王坂井三郎のインタビューもあるという豪華な内容です。
  他にはホラーものが大量に入荷しました。けっこう池川伸治が多く、レアな宏文堂もあります。
  今回の目録から表紙写真をなるべく載せる様にしました。是非表紙だけでも眺めてみてください。

 来週は、驚異的に程度の良い極美本!の貸本漫画を目録に載せます。その中にはナント池川伸治の『きちがい料理』もあります。内容も簡単に紹介しますので是非お楽しみに(^_^)

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮