神保町裏通り日記  
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7月30日(土)
天気(暑い!)
売上( ̄▽ ̄;

 

 店の表は溶けそうなくらい暑いです〜。売上も夏ばて気味〜_| ̄|○

 そんなわけで新着目録も夏ばてしております( ̄▽ ̄;

 週刊少女コミックは15冊しかアップできませんでした(^^;。せめて「スターレッド」が開始する号までアップしたかったのですが、間に合いませんでした。ちょっと気合いが足りませぬ。「風と木の詩」が第5章で、「坂道のぼれ!」が終わって「ファッション・ファデ」が始まった頃でございます。

 

 プレミアムには当店定番「草迷宮・草空間」が2冊入荷。この本には実はカバーバージョンが2種類あります。といってもほんの少し色が違うだけなんですけど(^^;

 

 左が初期版です。右が後期版。人形の顔とタイトル文字がちょっと赤みを帯びます。何版から変更になったかまでは未確認です。内田善美の漫画作品のなかでは個人的に一番お気に入りです。

 このページなんぞは、昨今の萌キャラなんざ太刀打ちできないくらい萌えます(^_^)

 

 貸本にはやはり定番赤松セツ子のひまわりブック128「天使の園」と当店では珍しい「迷路6」。

 

 堀江卓「快傑ゴールデンボーイ」と遠藤信一「吹雪の兄妹」が良い味出してます。

  

 イラスト集に2冊。

 

 ちょっと変わったものとして、大島弓子のポストカードギャラリーと昨年度小学館漫画賞50周年記念の際に配られた非売品の本。

 以上です〜。

 

 

7月23日(土)
天気(曇のち晴)
売上(^_^)

 

 

 なぜか店売り好調です。でもそういうときに限って通販は不調(^^;。上手くいかないものです。

 今週の新着目録です。リリカ一本槍ですm(_ _)m

 ”珠玉の”という形容詞があります。”美しいもの”、”すぐれたもの”というような意味ですが、『リリカ』という雑誌は、まさにこの形容詞が似合う雑誌でした。

 創刊は1976年11月号。全180ページがすべてフルカラー。漫画誌としては特殊でA4角形の左綴じでした。創刊号の執筆陣は水野英子・ちばてつや・樹村みのり・山岸凉子・睦月とみ(矢代まさこ)・市川みさこ・永島慎二・手塚治虫・おおやちき・やなせたかし・高橋真琴・藤城清治・宇野亜喜良等、まんが家、イラストレーターを含め超一流の顔ぶれでした。

 途中から内田善美、おおやちき、松苗あけみ、まつざきあけみ等のカラーイラストを得意とする作家人が加わりかなり華やかな紙面となっていきます。

 正直言って見所はあげだしたらきりがないほど多い。かなり偏ったセレクションとなりますが以下にピックアップ。

 

 左は松苗あけみの漫画デビュー作『約束』(イラストの仕事はもう少し前から存在)。デビュー当初から目を見張るほどのうまさ。右は真理ひづき(久掛彦見)の漫画デビュー作『木霊』。

 

 まんが家系以外にも藤城清治、宇野亜喜良など活躍。

 

 左は虫プロ出身の原田千代子(はらだ蘭)『レディ』。右は実力派粕谷紀子の『ちっちゃなちっちゃなものがたり』。

 また左綴じ、変形が災いしたのか単行本未収録がかなりの数を占めます。すべて調べ切れていないのですが、睦月とみ(矢代まさこ)が全作品、松苗あけみが8割方、倉田江美、内田善美、萩尾望都、いまいかおる等、けっこう巨匠クラスにも単行本未収録があります。

 

  

 左上、内田善美イラストピンナップ「神無月の都忘れ」。右上、萩尾望都イラストポエム「なつのおもいで」。左下、いまいかおる「てんまり子ダヌキ」。右下、睦月とみ(矢代まさこ)蝶々シリーズ「タテハの森のわたしから」。

 今回全29冊のセットも格安でご用意。この伝説の雑誌を是非どうぞ。

 この雑誌に関しては書き続ければいくらでも書き続けられます。せっかくの機会なのでこの際もう少し書き加えると(^^;

 創刊号全180ページフルカラー。定価330円。当時週刊少女漫画雑誌が150円。りぼんなどの付録付月刊誌が320円でした。しかしフルカラーというのは印刷代(厳密に言うと製版代)が単色に比べて4倍掛かります。単純計算すると720ページのモノクロ印刷の雑誌と同じコストがかかります。正直330円では採算が合わなかったのかも知れません。

 このことと関係があるのかどうかは分かりませんが、通巻5号目で編集長が入れ替わります。通巻6号から212ページに増ページされ、その代わりに2色ページが部分的に使用されます。さらにページ数は増え続け通巻12号から406ページとなり、この号からついに単色ページが使用されだします。値段はこの時点で350円に値上げ。そして通巻24号には480ページという凶悪的(^^;な厚さとなり値段は逆に280円と値下げ。しかしその甲斐もなく通巻29号目でついにあえなく廃刊となります。

 オールフルカラーという新しい器を見つけた珠玉の雑誌も、そのすばらしい器を維持することが出来ずに、僅か2年半で撤退しちゃいました。この雑誌が1980年代に出版されていれば、もう少し延命できたかも知れません。5年早すぎた雑誌だったのかも知れません。

 ちなみにこの雑誌が左綴じ(普通の漫画雑誌は右綴じ)だったのは、海外で同じものを発行する予定だったかららしいです。しかしついぞその海外版というものを見かけることはありませんでした。

 7月25日追記:

 まだちょっと書き足らなかったので(^^;。一般的にはオールフルカラーの1〜5号目を評価するべきでしょうが、個人的には作家陣にバリエーションが出てくる6号目以降を評価しております。松苗あけみ、原田千代子、まつざきあけみ、真理ひづき辺りが最高に良い味出しております。

 追加ついでにもう一つ付録の方も紹介しておきます。

 

 左上:1978年1月15号ふろく、右上:1978年2月16号ふろく、下:1979年1月号27号ふろく。ちなみに絵はがきの絵は、左からまつざきあけみ。手塚治虫、おおやちき、文月今日子、市川みさこ。

 追加ついでのついでに更にもう一つ(^^;。表紙作者データ。

1号:高橋亮子
2号:高橋亮子
3号:高橋亮子
4号:高橋亮子
5号:高橋亮子
6号:高橋亮子
7号:高橋亮子
8号:松苗あけみ
9号:内田善美
10号:松苗あけみ
11号:内田善美
12号:ドン・モーガン
13号:内田善美
14号:松苗あけみ
15号:内田善美
16号:松苗あけみ
17号:内田善美
18号:おおやちき
19号:石森章太郎
20号:手塚治虫
21号:内田善美
22号:石森章太郎
23号:石森章太郎
24号:高橋亮子
25号:高橋亮子
26号:高橋亮子
27号:高橋亮子
28号:高橋亮子
29号:高橋亮子

 ああ、ようやく気が済んだ(^_^)

 

 

7月16日(土)
天気(曇)
売上(^_^)

 

 

 肌寒い日から急転直下で蒸し暑い日が来たりと天気も忙しい今日この頃です。お店もちょっと引っ越そうかと画策する今日この頃です。

 今週の新着目録です。目録作成に結構時間を割いたような気がするのですが、どうやらそんな気がしただけで大して仕事をしなかったようです(^^;。今週点数少なめです_| ̄|○。

 リリカはちょっと間に合いませんでしたm(_ _)m

 1970年代前半の週刊少女フレンドと集英社の「なぜなぜ学習漫画文庫」です。昭和33年頃から月2冊単位で刊行されました。理科編が全13巻、社会科編全12巻、道徳編全12巻です。読み込まれたものが多いので、あまり程度のよいものは出てきません。

 

 

 今読むと昭和30年代初頭の風俗なんかが知れて、結構面白いです。隔世の感もありますが。

 週刊少女フレンドは、1970年から74年までのものです。もう少し在庫があったはずなのですが、整理が悪くてちょっと一部出てきませんでした(^^;。

 70年代初期の話題作は、やはり「アテンションプリーズ」でしょうか。

 

 個人的な話ですが、この当時少女漫画は読んでいませんでした。しかしながらテレビドラマの「アテンションプリーズ」は欠かさず観ておりました。当時小学校の高学年でしたが、よくよく考えると何が面白くてあのドラマを観ていたのかが、さっぱり分かりません(^^;。飛行機を観ていただけなのかも知れません。

 

 左は曽祢まさこ「近眼でモテる法」です。眼鏡コンプレックスの女の子テーマ(もしくは眼鏡を取ると実は美人という設定)というのは、結構普遍的にあります。でも最近は眼鏡っ娘というと萌系になります。いつから変質したんだろ(^^;

 右は南條美和「その日雪はとけた」。貸本末期頃から活躍した人ですが、貸本以外の単行本がない人でもあります。1970年代前半で漫画を描かなくなってしまった人は、意外と単行本が存在しないケースがあります。今だったら気軽に自費出版が可能ですが、当時はなかなかそういうわけにはいきませんでした。

 最後にイケスミチエコです。どちらかというと「プリンセス」の人という印象が個人的にはあります。『蒼い炎』なんかの超絶書込描画は、当時畏敬の念すら感じました。腱鞘炎で執筆を中断したりしておりましたが、無理もないなあ、なんてことを思ったりもしました。フレンドでの執筆は、珍しいと思うのですが、よく考えたらこの人のデビュー作を知りません。以前本人のホームページがあったのですが、今は閉鎖され情報がありません。う〜ん、気になる(^^;

 来週はリリカ。間に合わなければ週刊少女コミック(^^;

 

 

7月9日(土)
天気(曇りのち雨)
売上(T_T)

 

 

 今週は明治古典会の七夕大市のため、しばらく市場のお休みが続いておりました。毎日市場に出かけるのが恒例なので、逆に市場がお休みだと調子が狂います。椅子に座りっぱなしで腰も疲れるし(T_T)。

 今週の新着目録です。

 1977年週刊マーガレットと講談社のジョブナイルSFの定番「世界の科学名作シリーズ」全揃いとあとちょろちょろ(^^;

 まずは「世界の科学名作」。先週の市場の成果(^^;

 全15巻ものです。こうやって全部並べてみるとけっこう壮観です。

 雑誌の方は「白鳥−SWAN−」絶頂期の頃です。

 

 ちょっとしたバレエブームが起きて、森下洋子等の世界的バレリーナの紹介グラビアが頻繁に企画されました。左が1977年6月5日号の記事。右はマーガレット創刊号(1963年5月12日号)のグラビアです。右の方では、まだ13歳でした。

 

 他にも萩尾望都のマーガレット初登場作品「ブラッドベリ・シリーズ」とか、当時一世を風靡した横溝正史作品のコミカライズ「女王蜂」などなど〜。

 他には一点だけ紹介。

 倉田江美では、けっこうレアもの。ゴミドリ君主演の絵本「どっちライン」です。

 来週は「リリカ」予定。予定は未定ですけど〜。

 あっと、それから菅野修の原画を大量追加しました〜。こちらなんでよろしくです。

 更にもう一件、牧かずま、赤松セツ子に関して新事実が発覚する予定。近日中(今月中)にはご報告の予定です〜。ご期待くださいませ〜。

 

 

7月2日(土)
天気(曇)
売上
う〜ん (T_T)

 

 昨日は東京古書組合の北部会館というところの入札市に行ってきました。場所は板橋なんで遠くはないのですが、電車がちょっと不便なところなので、今回が初めての参加です。

こんな建物。

 少女漫画の出物はないかと思ったのですが、残念ながらその手はありませんでした_| ̄|○。手ぶらで帰るのはなんなんなので、講談社のジュニア向けSFシリーズにさくっと入札してきました。先ほど同業者から連絡があって無事落札した模様。ただし上札(T_T)。

 そんなかんやでホットな季節を迎えました。今週の新着目録です。

 今週は先週出し忘れた貸本1冊と市場で掘り出してきた付録本1冊と先週の残りのフレンドとぴんぴんの美本のデラックスマーガレット通通巻2号目です。

 以前怪奇系貸本漫画の特集したときに解説をしているので、今更細かい解説はしません。今回改めて読み直してみましたが、「聖女もなりざ」より、やはりこっちの方が変です(^^;。三田京子で一番くるってる作品はこれだと思います。

 菅原亘「森のかべひめ」。横長でクイズまんがと一緒になった体裁で、小学二年生1968年4月号付録です。当時私も小学二年生でこの漫画を読んだ記憶がかすかにあります。男の子が壁に閉じこめられてしまう話です。けっこう強烈な印象がありました。作中のお姫様のスタイルは、お姫様というよりはまるで魔法少女○○ちゃんみたいで、猛烈に変です(^^;。

 

 作者の菅原亘はネットの一部で菅島茂じゃないかという説が流れておりますが、菅島ではなくて「セクシー怪獣」の菅沼要ではないかという説の方が正しいようです。絵柄的には「死人ぼくろ」の水上修をも彷彿させます。ちなみにこちらは前編だけです。後編は次月号の付録になっております。

 雑誌の方、まずは一冊だけデラックスマーガレット。通巻2号目で、グラビアにスパイダースが来る辺りが創刊当初の読者ターゲットと編集方針を物語っているようです。

 

 漫画は3本で、他に絵物語とか写真まんがとか写真小説とかが掲載されております。

 

 左が西谷祥子「パリジェンヌ」。ちょっと大人向けの味付け。右が鈴原研一郎原作の「花よいつの日か…」。写真でこのような純愛を表現されると、今だとちょっと笑ってしまうしかないのですが、当時の感覚としてはどうだったんでしょう。漫画表現との差を確認するには面白い題材だと思います。

 

 左は普通に写真小説、「わたしの青空」。バレエ以外の要素で森下洋子が出てくるのは非常に珍しいのでは・・・。右は定番高橋真琴。

 お次は先週の残り、1960年代少女フレンドです。古書的なポイントはやはり細川知栄子です。

 ついに発見!細川姉妹の写真です。

 1968年9月17日号(38)中のまんが家訪問に記事です。意外と姉妹漫画家というのは知られていません。しかしながら妹さんがどの程度作画に協力しているのかはちょっと不明です。

 

 細川知栄子3作品「真珠のいのち」、「バラのゆくえは」、「おしゃれな逃亡者」。どれも単行本未収録。

 

 他のお勧めは、あすなひろしの単行本未収録「ジョニーとこんばんは!」。楳図かずおの「おわらいまんが:チイ子とモン太」2ページ。これも単行本未収録。

 ぱっと見、ちばてつやみたいですが、実はちばあきお。デビュー作の「リカちゃん」。ちばあきおのデビュー作というと一般的には1967年12月号「なかよし」掲載の『サブとチビ』となっているが、発表自体は「リカちゃん」の方が先になる。

 最後に極めつけ。好美のぼるの「にくしみ」。

 来週はまた「マーガレット」か、もしくは「リリカ」の予定です。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮