神保町裏通り日記  
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01月31日(土)
天気(曇)
売上(アベシ!)

 

 このところ東京地方は、雨がぜんぜん降らないのですが、代わりに”ノバーグ”(ウィルス)が嵐のようにやってきます。皆さんのパソコンは大丈夫ですか?

 所要の件は諸般の事情でふっとんで延期になりましたので、今週の目録更新はアリです(^_^)。とりあえず新着目録です。いやまあ普通の本がまったくありません(^^;。当店らしいといえばらしいのですが。

 まずは貸本から、大鹿ひであき『東京行進曲』です。

 内容は、菊池寛の小説とも映画とも西条八十作詞の歌とも多分全然関係ないとは思います。コマ割の関係からどこかの雑誌に連載していた作品の単行本化のようなのですが、連載雑誌はちょっと不明です。

 いまでは漫画家としてよりもアニメの作画監督としてのほうが有名な大鹿ひであき(大鹿日出明)ですが、当時から絵はかなり達者でした。この単行本は昭和31年から32年ころの発行だと思われます(推定)。

 唐沢なおき『夕刊赤富士』です。これは扶桑社から出た元版で、連載された「夕刊フジ」と同じサイズのA4です。その後再編集されたB6版も出ています。

 イラスト集からは、未だ人気の衰えない『キャンディキャンディ イラスト集』2冊セットと紫堂恭子『みずのたからもの』です。

 右は付録の小冊子(写真では同じサイズに見えますが実際は一回り小さいです)です。子供の頃のマンガ体験をつづったエッセイコミックのような物です。

 次は同人誌から二つ。まずは勝川克志『イラスト見本帖』です。

 本当は同人誌というジャンルではないと思いますが、とりあえず分類に困ったもので(^^;。これは勝川克志が営業用に作った私家版の小冊子です。某編集者からの流出品です(^^;。

 もう一つが、日本女子大漫画研究会(没)発行の『びびっと Vol2』です。高橋留美子が”けも・こびる”名義で描いた「バイバイロード」が掲載されています。

 今週はこんなところです。

 先週の日記で、オオトモヨシヤス『雪の少女』の後編のタイトルが不明だと書きましたが、本日判明致しました。タイトルは『しらかばの歌』でした。本の方も入手したのですが、残念ながら今週はちょっと紹介し切れませんでした。次週以降にご紹介しますのでご期待ください。

 

01月24日(土)
天気(曇)
売上(曇)

 

 店売りより通販が好調な今日この頃です。寒いですからね〜、出歩きたくないんでしょうね(^^;

 今週の新着目録です。ちょっと所用がありまして、あまり数が載っけられませんでした。とりあえずめぼしい物を優先させました。

 まずは少女マンガ家の隠れ大家”牧かずま”の『母波子波 前編』です。

 牧かずまは、白土三平と親交があり(紙芝居時代の仲間)、牧の仕事を白土が手伝うような時期もあったようです。ほぼ少女漫画だけで活躍した人で、一時期はプロダクションを創り少女漫画短編誌の編集まで手掛けていました。牧の門下には、赤松セツ子(たぶん奥さん)を始め谷由紀夫、池川伸治など貸本漫画の後期時代を彩る作家連がいました。雑誌などの連載も手掛けましたが、貸本の終焉とともにキャラクターデザインなどの仕事に移ったようで、名前は表に出なくなるようです。

 この本の原作は”中井のり子”とありますが、牧の本名は中井姓です。ひょっとするとこれが奥さんの名前かもしれません。

 次の当店定番(笑)、オオトモヨシヤス『雪の少女 前編』です。

 他のナカムラマンガシリーズの奥付広告を見ると、この本がナカムラマンガシリーズのA5版での1番目ということになっているようですが、どうやらナカムラマンガシリーズのシリアルは途中でリセットしているようであてにならないみたいです。本自体にシリアルナンバーを付けていないので、どのぐらいシリーズが続いたのかはっきりしないところもコレクター泣かせです。

 後編はタイトルが前編と違うようで、調べたのですが現時点では不明です。

 次は男性向けに山村俊・しのはら勉『青春改札口』全7巻です。

 連載は1979年頃の少年マガジンです。謎の転校生立花と暴走族のリーダー、フォルスとのやりとりには当時シビレました。前半ハードにガンガン進のですが、後半はちょっと軟派に陥りました。立花の妹のマリエにはちょっと萌えました(笑)。 若気の至りです。

 プレミアムには宮谷一彦『世紀末伏魔考』です。

 宮谷は、エロスとバイオレンスと濃い描写と背景にあるねちっこいテーマがないまぜになった、甘い汁粉を食べていてお餅かと思ったら実は四角く切った牛脂だった位のしつこさ加減が味わいです(^^;。近年なかなか無い味わいです。

 来週は所用の関係で、目録更新がお休みになるかも知れません。出来るだけ何とかしますが、何とかならないかも知れないので(^^;事前予告です。

01月17日(土)
天気(時々雪)
売上(晴時々曇)

 

 東京も雪がちらつく寒さになりました。懐も寒い今日この頃です。

 今週の新着目録です。貸本少女漫画短編詩と画集と付録が主体です。

 まずは、若木書房「ゆめ 91」です。

 

 岸田はるみの表紙が美しい一冊です。この号には貸本で唯一の美内すずえ作品が掲載されています。美内鈴恵名義『アイ・ラブ・アニキ』です。美内すずえは、昭和42年の別冊マーガレット10月号掲載の「山の月と子だぬきと」で デビューしました。この「ゆめ 91」も昭和42年10月発行です。ほぼ同時期に描かれた作品だと思います。

 

 「こけし別冊1」です。えんどう信一『愛の行進曲』掲載。遠藤信一この時点でまだ健在です。

 

 比較的珍しい三洋社の少女短編誌『こぐま 2』です。草野ひかるが荒井成授名義で作品を発表しています。この「思い出悲し」という作品、盲目の少女が主人公なためか、背景がなんだか現実感乏しくて妙にシュールです。

 金園社『こまどり 8」です。これも比較的珍しい少女漫画短編誌です。なるみあきら「こまどり天使」は、わりかし読ませます。花売りの少女ならぬ風船売りの少女が出てきます。風船売りの少女というのも珍しいと思いましたが、よくよく考えると花売りの少女というものも日本に本当に存在したのでしょうか(^^;。

 画集には「美少女戦士セーラームーン原画集 VOL∞」が再入荷しました。

 裏表紙にほんのかすかに折れ跡がありますが、ほかコンディションもよく並上といえると思います。折れ跡は写真に写らないほどかすかなんですが、どうしてこんな跡があるのかよく分からなかったのですが(普通折れ跡やシワはもっと強く出ます)、スキャンしていて気がつきました。この同人誌版のカバーは通常よりかなり薄い紙質のものを使っています。思いっきり開くとワレの出やすい製本だったりと何かと古本や泣かせの神経質な本ではあります。

 最後に男性向けから一冊。最近人気の高いみなもと太郎の名作『レ・ミゼラブル』です。オリジナルの潮出版上下2巻版です。女の子だけは美しく描くみなもと太郎入魂のカバー絵です。

 多少スレはありますが、カバーの弱い希望コミックスとしては、かなり状態の良いほうです。

 

 

01月10日(土)
天気(晴)
売上(並)

 

 松が開けて急に寒くなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今年最初の新着目録です。

 まずは『ダメ親父』や『BARレモンハート』でお馴染みの古谷三敏デビュー作です。

 島村出版昭和31年発行B6ハードカバー版です。

 デビュー当時から絵は結構上手いです。古谷三敏は昭和34年頃に手塚のアシスタントになり、昭和39年フジオプロに入社します。

 

 左が異色短編集『墓場の血太郎』、右が「なかよし」連載作品をまとめた『プリンセスプリンちゃん』です。どちらもフジオプロ所属時代の作品です。

 次が古谷三敏の中でも定番プレミアムの『マンダム親子』

 お金が本当に腐ってしまうほどの金持ちの親子の物語です。

 こちらが今回の店主イチ押しの『母恋い千鳥』です。

 ダメ親父の少女マンガ版ともいえる設定で、薄幸の美少女千鳥ちゃんが、生き別れの母に出会うことを夢見ながら虐めに耐えるというお話です。

 今だと児童虐待漫画として問題になりそう(^^;な気もしますが、お得意のギャグもちりばめられ、それほど悲惨な話にはなっておりません。

 その後、芳谷圭児と共にファミリー企画を設立し、『ダメ親父』、『寄席芸人伝』など独自の世界を築いていきます。

 この『手っちゃん』なんかもそのころの傑作のひとつです。

 そのほかの入荷には、独特なタッチで虫と人間の共生を描いた『エンブリヲ』。小川幸辰は、最近別ペンネームでアダルトを描いているようですが(推測なんで間違ってたらごめんなさい)、また青年誌に戻ってきて欲しい作家です。

 そして読んでいると思わずバリに出かけたくなる『アキオ紀行』。

 最後に今週ぎりぎり間に合いました。宇宙の傑作機No6『ソユーズ宇宙船三訂版』です。No.1、No1.5に続く改訂です。あとがきに”前のバージョンを持っている人は燃やしてください”と書いてあるほど改訂されています。

01月03日(土)
天気(晴)
売上(休)

 

 新年あけましておめでとうございますm(_ _)m。本年もよろしくお願い致します。

 新年あけ早々の新着目録は、残念ながらお休みです(^^;。

 お休みの間にも色々と仕入は行いました。来週の目録には掲載したいと思います。

 ちょっとだけ予告。古谷三敏のデビュー作を含むレア本色々を出します。ご期待ください。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮