師(坊主)が走るから師走なのか、四時(四季)の終わりだから四極(しはつ)なのか、忙し(せわし)い月だからせわし月なのかは、よく分からないけど、12月はやはりばたばた忙しいです。組合への加入申請や税金関係の講習受けたりと飛び回ってます。
今週の新着目録 ちょっと点数がすくなくて申し訳ありません。
貸本漫画には、描きこみの多さが読者へのサービス?だと主張していた、久呂田まさみ『雪之丞変化』が入荷しました。これは第三巻目で最終巻にあたります。
男性向けには、いまだ根強い人気のある永野のりこ『みすてないでデイジー』と『Sci-Fiモーション』。どちらも初期の少年キャプテン版で、しかも状態もなかなか良いです。
今回の目玉は、『綿の国星 ケーキの本』です。「綿の国星」関連書籍としてはもっともレアかと思います。白泉社ヒロインブックと銘打たれていますが、このシリーズはマンガ関連本ではなく実用書の範疇で扱われたため大島弓子ファンも意外と気づかなかったものと思われます。綿の国星の各エピソードをモチーフに作られたケーキ類は、出来上がりを想像するだけで楽しそうです。
今回特にお勧めしたいのは、山田芳裕『大正野郎』です。これは近作『度胸星』や『ジャイアント』(連載中)などで活躍する山田芳裕のデビュー作です。大正モダニズムをこよなく愛する大学生平徹は、芥川龍之介に傾倒し、いまどき珍しい賄い付き下宿屋に住み、下宿屋の娘由貴ちゃんに恋をする。筆による手書きで引かれた枠線は、大正時代的ダンディズムにこだわる主人公以上に作者のこだわりを感じる。
掲載は1988年〜90年の講談社モーニング。思えば80年代末期のモーニングに始まり90年代中盤の姉妹誌アフタヌーンは、才能あふれる新人をかなりの数で輩出した。一世を風靡するというような傑作こそ少なかったが、それでもキラ星のような佳作は多量に生まれた。こういった作品が時代のハザマに埋没していくのは如何にも勿体無いと思う。
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