妙に薄ら寒い日が続きます。売上げの方はもっと寒いですけど(^^;
今週の新着目録です。雑誌の方は、1977年「花とゆめ」本誌全24冊と増刊3冊です。雑誌以外は久しぶりにまともに貸本が入力できました。短編誌が多いですが楳図が2冊あります。
まずは「花とゆめ」。「スケバン刑事」と「ガラスの仮面」が全盛の時代です。古書的には、こやのかずこと神坂智子あたりが注目です。
「新・あいらぶ湯」は、単行本として「あいらぶ湯傑作選」出ておりますが、全14話のうち約半数が未収録となっております。他に増刊の読切りも未収録です。
神坂智子も連載の「絵美子かぞえ唄」を始め未収録作品が多い年代です。
他作家も西谷祥子「マアくんは…」、水野英子・北島洋子合作の「黒真珠」とか、山岸涼子の数少ない未収録作品「プペ・シモーヌ」もあります。
貸本の方は毎度おなじみ赤mつせつこの他は、オオトモヨシヤスと最近ごく一部だけで話題(笑)のせきしろが入荷。
中村書店末期(中村惣次郎名義)の出版でマリちゃんを主人公とした短編を集めたシリーズです。一応第3集辺りまでは刊行されたようです。
こちら20年代末期から30年代頭まで瞬間的に金園社や金の星社あたりで活躍した”せきしろ”です。ちょっと古いタッチながら、なかなか達者な作画です。
少女漫画家を目指すくるみちゃんを主人公とした漫画ですが、とにかくネームの量がすさまじいです(^^;
お次は三洋社の「花詩集第5集」です。6集も刊行されたという噂がありますが、とりあえず確認できているのは5集までです。この刊行近辺で三洋社は倒産致します。
この短編詩は表紙と口絵を高橋真琴が担当しております。主筆には楳図かずおがいて、この号にも「南海の少女 第1回」が掲載されています。
比較的長めの連載を構想していたようなのですが、廃刊のあおりで未完となりました。2回目の原稿は書かれたらしいのですが、掲載に関しては不明の作品です。
もうひとつ楳図かずお。
こちらの「偶然という名のツミキ」は後に「偶然を呼ぶ手紙」にリメイクされる作品です。
泉15号です。表紙は江川みさお。巻頭はわたなべまさこ。若木の代表格短編誌です。
もう一つの代表格が「ゆめ」。
刊行当初の4号で、表紙を内藤ルネが担当している珍しい物です。総ページ数は192ページです。この雑誌が発行された昭和35年頃は、すでに貸本もピークを過ぎていた頃で、その分出版社刊の競争も激しかったようです。借りる読者側も同じ料金を払うならばなるべくページ数が多い物を借りようとする傾向があったのか、ページ数を無理矢理多く見せようとする、涙ぐましい努力がありました。
今では当たり前になった表紙を1ペ−ジとする数え方(これにより見返し紙(遊び紙)がない場合本文は3ページ目から始まる)、さらには先に裏表紙裏(今でいう表紙3)と裏表紙を数えるやり方(本文は5ページ目から始まる)によって見かけ上のページ数を増やしたり。
上の画像のように作品中にいきなり半裁ページを挿入して16ページ分の紙で32ページ増やしたりと、いじましいような努力がされています(^^;。考えようによっては読み手側をなめてますが、まあそういう時代だったんでしょう。
来週はマーガレットを少し。月曜倶楽部の目録準備があるので、あまり下図は載せられない予定です。