神保町裏通り日記  
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12月27日(土)
天気(寒)
売上(暖)

 

 今年もあと残すところわずかになりました。皆様この一年如何でしたでしょうか。私はう〜む(笑)です。
 とにかく年末は合同目録や仕入や宴会で大忙しでした。とくに貸本マンガ史研究会主催”桜井昌一さんを偲ぶ会”&忘年会は、往年の漫画家さんたちが多数出席され大変楽しかったです。

 本年最後の新着目録です。

 今回の大目玉商品は、谷川一彦『星は見ている』です。

 消息不明の天才漫画家谷川一彦の唯一の単行本です。詳細はこちらに。

 次にホラー系貸本漫画の定番、池川伸治。

 表紙に1と記されていますが、続刊があるわけではなくて新ミステリーシリーズの1という意味です。

 娘より石が大事という石研究家の父親と、一卵性双生児の娘なのに片方ばかり苛めたがる母親という変な家族の設定が、如何にも池川らしい(^^;作品です。

 男性向けには現在絶好調の福本伸行出世作『銀と金』全11巻です。

 アカギに似た”銀”とカイジに似た”金”の組み合わせで、読み出したら止まらない魅力があります。結末がちょっと中途半端な感があります(おそらく雑誌の廃刊)。どこか別の雑誌で続編を期待したい作品ではあります。

 少女漫画は先週から引き続きのマーガレットコミックス。

 イラスト集には久しぶりの押井・天野コンビの”天使のたまご”をモチーフにした『少女季』。状態も良いです。

 変形サイズなので、スキャナに全体取り込めませんで(^^;、実際はもう少し縦長です。

 続いて新書館のイラストシリーズでは、内田善美の『聖パンプキンの呪文』より入手困難だろう名香智子『天鵞絨の館』です。

 ちなみに”天鵞絨”は”ビロード”と読みます。語源はポルトガル語で、最近はビロードとは呼ばずに”ベルベット”と英語で呼ぶのが普通みたいです。

 アダルト系ではありますが、風俗画の大家としても有名な日本画家小妻要のイラスト集『女人幻想』です。

 B4サイズの大判画集です。初期の小妻容子名義の頃のイラストも多数収録されております。

 最後に新刊委託品の2冊。

 

 この手のミニコミ誌としては、着実に号数を重ねる『貸本マンガ史研究』です。今回は”桜井昌一さんを偲ぶ会”に連動して発行された、別冊版を特別に販売致します。

 今年もお客様並びに関係者の方々には大変お世話になりましたm(_ _)m。新しい年が皆様にとって良い年でありますように。また来年も引き続き御贔屓のほどよろしくお願い致しますm(_ _)m。

 

12月20日(土)
天気(曇)
売上: うみゅー


 市場でマーガレットコミックスを250冊くらいまとめて仕入れたり、お客さんからの買い入れがあったりで、店内は荷物の置き場が無くてちょっと混乱状態。はやいところ目録処理をしなければならないのですが、まだ5分の1も終わってません(T_T)。てなわけでしばらくマーガレットコミックスの目録アップが続くかも知れません。

  今週の新着目録です。少女漫画主体です(^^;

 まずは店主思い入れのもとやま礼子傑作集全10巻です。

 傑作集の形で10巻もある人も珍しいです。全部初版ですが、もとやま礼子って初版しか存在しないかも知れません(^^;。

 次に市場仕入のほんの一部。今回は川崎苑子と河あきら。

 これらのマーガレットコミックスはおそらく一人のコレクターからの流出ようです。大事に保管していたようで年代にたいしてどれも程度はかなり良好です。しかし残念ながら巻末見返し部にシリアルナンバーのスタンプが押されています。

 そんなわけで少し安めの値段設定にはしております。

 レア物には、美内すずえで唯一復刻がされていない『パンドラの秘密』。カバーの状態は良くないですが、内部は良好です。

 次は矢口高雄『野生伝説』です。

 内容は表紙を見て頂ければ分かるように”鷹匠”物です。2巻ともに前見返しに著者サインが入っております。

 最後にアダルトから。先日亡くなられた横山まさみち『どけち一代』。巻数が明記されていないので分かり難いのですが、全3巻で完結です。

 貸本時代から活躍された漫画家で、少女漫画や歴史物も描かれましたが、やはり代表的なのはアダルト劇画誌を中心とした艶笑物でした。活躍された舞台が舞台だけに評価されにくいですが、日刊ゲンダイで7,500回もの連載を行った『やる気まんまん』などを含めた艶笑物をもっと評価しても良いのではないかと思います。

 

12月13日(土)
天気(晴)
売上:ふにゃふにゃ

 

 昨日は久しぶりに南部古書会館の入札市に行ってきました。6時に店を閉めて、閉館30分前に飛び込みました。あまり入札するものが無かったのですが、ひとつだけ古いサンデーの束の中に少女漫画の売れ筋が何冊か混じっていました。欲しいなーとずいぶんと悩みましたが、死ぬ気で入札すると、死んじゃうような金額で落札する羽目に陥りますので(T_T)ほどほどの金額を入札して諦めました。でもなんかの間違いで落札しないかな〜(^^;

 今週の新着目録です。今週は細かい物が多いです。そんな中での目玉は、青林堂『佐々木マキ作品集』です。

 いまでは村上春樹の著作の挿絵や童話作家として有名ですが、元々佐々木マキはガロでデビューした漫画家です。漫画家としては佳作で単行本もわずかです。青林堂のこの本が漫画作品としての集大成になると思います。

 こちらは業田良家『福沢悪人塾』です。

 業田良家は、その時々の世相を鋭い切り口の寓話により浮かび上がらせることの出来る奇才で、作品としての評価は非常に高いのですが、逆にその作風によりメジャーになることが出来ません。だから単行本もいつの間にかレアになってしまいます。この本もこの文章を書いている時点で売り切れました(^^;。

 もひとつ変わったところでこんな本も入荷しました。ケイブンシャ『怪獣怪人大全集2 ガメラ1』です。今週は写真がちょっと少なかったです(^^;。来週また頑張りマースm(_ _)m

12月06日(土)
天気(曇)
売上:ふむ

 

 捻挫の方は順調に治癒しつつあります。でも先ほど店の蛍光灯を取り替えようとしてまたちょっとひねっちゃいました(T_T)。

 今週の新着目録です。今週の目玉はこれです。

 

 あずま社発行少女短編誌『母』です。つい先日に出た某大規模古書店の目録に於いて”史上最悪の貸本漫画短編誌”とまで評された代物です。その絵には確かにすさまじいものが多く、背景のパースは狂っているは、人物は下書きもしていないような歪んだデッサンだは、しかもたまに腕は描き忘れている(^^;という具合です。

 

 表紙の絵がよい分、当時お金を出してこの本は借りた子供がかわいそうだと思ってしまうほどの出来映えです。万人にはお勧めしません。”普通の生活を送りたくない人”向けに販売致します(^_^)

 レア物にはこの2冊。

 

 更に未だに人気が高く入手難のセーラームーン原画集の第5集が再入荷しました。

 少女漫画では、店主お勧めの松本るい『やさしい番長シリーズ』全2巻です。ほのぼのと笑える作風がとても良いです〜。

 

 最後に最近は漫画家と言うよりは童話作家として活躍中のおーなり由子『グリーン・パズル』です。

 特にレアというほどでは無いのですが、近年あまり見かけなくなってきました(より抜きの文庫版はでましたが)。おーなり由子のような童話的な作風の漫画というものが皆無になって久しいです。昨今の漫画界もバリエーションが狭くなって寂しい限りです。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮