神保町裏通り日記 
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2011年
12

 

12月24日(土)
天気(晴)

 

 そういえば今日はクリスマスイブです。私はといえば一人寂しく仕事してます(T_T)。

 今週の新着目録です。ちなみに本年最後の目録更新となります。その割にはすごいレア品とかありません。年代的には古いけどコンディションがあまりよくない雑誌12冊と白泉社チェリッシュブック関連です。

 

 マーガレット2冊です。久しぶりに創刊号が入荷しましたが、マンガに切抜ありです。なんでちょっとお安め。右は1963年29号です。牧美也子・松本あきらコンビの「水色のひとみ」掲載号です。

 

 りぼんは5冊。表紙がないのとか裏表紙がないのとか、もう色々。左は1963年9月号。右は1966年12月号です。

 

 光文社「少女」は3冊。これもコンディションは色々。左は1959年9月号。右は1962年6月号。

 

 雑誌の最後は少女ブックが2冊。左は1954年9月号。右は1963年4月号。9年も経つと随分と表紙のイメージも変わります。ちなみに1963年4月号は廃刊の1号前。

 お次はチェリッシュブック。白泉社から1976〜8にかけて全部で12冊刊行されました。今回はそのうち9冊です。順不同で紹介。

 

  左は水野英子「愛の秤」、右は三原順「ハッシャバイ ねんねんころりよ」。

 

 左は山田ミネコ「ひそやかな童話」。右は山岸凉子「ニュンペ 私のギリシャ館」。

 

 左は坂田靖子「おやすみまえの本」。右は大島弓子「小幻想」。

 

 左は竹宮恵子「時の少年 古い創作ノートより」。右は忠津陽子「ようこそ 愛」。

 最後は木原敏江「雪月花」。今回出ているものでのレア度に関しては水野英子「愛の秤」、坂田靖子「おやすみまえの本」辺りが一番高いと思います。なんでそんなに出現率に差が出るのかは、もひとつよくわかりませんが。

 

 

 チェリッシュブック特別版として発行されたトランプ+ブックレット2種です。左が「青池保子のトランプ大作戦」。右が「三原順のトランプランド」です。青池保子のほうがかなり出現率低いです。

 最後は三原順「はみだしっ子絵はがき」です。チェリッシュ・ペア・カードとよばれたシリーズで24種の絵柄が2枚組計48枚の絵はがきセットです。チェリッシュ・ペア・カードって、他に竹宮恵子と成田美名子が出ていたのは知っているのですが、他には出ていたのでしょうか? ちょっと不明。

 これで今年最後の目録となります。本年もあと残すところわずかです。新年7日の目録更新については、毎年恒例の「宇宙の傑作機シリーズ」のみの更新となります。通常の目録更新は14日からとなります。「宇宙の傑作機シリーズ」に関しては今回3種類の本が刊行されることになっております。ただし内容の詳細や販売価格に関してはまだ未定の部分がありますので、1月7日の目録更新までお待ちください。事前の予約に関しては受け付けできませんので、その点もご注意ください。

 それでは皆様、良いお年をお迎えください。m(_ _)m。

 

 

12月17日(土)
天気(晴)

 

 忘年会とかが続くとさすがに年の瀬だなぁという感慨にふける今日この頃(テニヲハが変です)。皆様に於かれましてはいかがでしょうか。私は空気が乾燥しているので風邪でも引きそうな気分です。加湿器欲しいです。

 今週の新着目録です(ここ2週間ほどリンク忘れてた(^^;)。それから久しぶりの今月のおすすめの更新です。もう全然毎月更新じゃないですが(泣)。

 今回はちょっと変なもので、講談社「なかよし」の読者アンケートをまとめた営業用資料です。変だけど珍しいものではあります。

 普通の新着目録は新書コミックが中心。セット者多しで、わたなべまさこ多しです。

 

 

 今回の目玉、わたなべまさこサイン付き3冊です。左上、講談社KC571「聖ロザリンド」初版。右上、講談社KC573「黒ねこがわらった」初版。左下、若木書房ティーンコミックスデラックス「ふたご座生まれ」初版。以上3冊の前見返しにサインが入っております。日付は3冊とも同じ”1973年9月15日”です。

 今回マーガレットコミックスビニカバ版帯付もいろいろ。

 

 

 わたなべまさこの代表作にして傑作、そして一番長い作品である「ガラスの城」全8巻が全初版で入荷。しかも1〜4巻は帯付です。ビニカバもちょっとイタミがありますが、まずまずのコンディションです。超オススメです。

 

 他に帯付は、わたなべまさこ「蝶はここには住めない!」初版と西谷祥子「マリイルウ」が入荷しました。

 

 他にはセットもの。左は土田よし子「つる姫じゃ〜!」全11巻。なかなか揃わないセットです。右は武田京子「さぼてんとマシュマロ」全4巻。画像に何だか模様が入っていますが、これはビニカバの模様です。

 

 左は、大和和紀「あさきゆめみし 大型版」全7巻です。雑誌と同じサイズの大型本なので絵の見応えはあります。右が久しぶりの入荷、いがらしゆみこ「キャンディ・キャンディ」全9巻。タイトル黒で4〜9巻が初版です。もちろん9巻のピンナップも付いております。

 

 他には浦野千賀子が2冊。左は「がめつくシュート!」。右は「かがやけ!フルターン」。どちらもビニカバ版で初版です。ちなみに「かがやけ!フルターン」は体操競技。「がめつくシュート!」はハンドボールを扱っています。ハンドボールのマンガってかなり珍しいのでは。

 お待たせしました。ようやく刊行。巴里夫「今日も欠席」です。巴里夫復刻シリーズも今回で13冊目。来年もまだまだ復刻が続きます。どうぞよろしく。

 さて早いもので来週の目録更新が今年最後の新着目録となります。雑誌とイラスト集を予定しております。それでは、また〜(^_^)/~~~

 

 

 

12月10日(土)
天気(晴)

 

 特別大きな用事があるというわけでもないのに、やはり師走になるとバタバタと忙しい感じがします。今年もあと僅か3週間で終わりです。

 今週は講談社「なかよし」13冊です。創刊した1955年から1957年までの間のものです。1957年の2冊はちょっとコンディション悪いですが、1955年〜6年の10冊はかなり程度良いです。

 

 「なかよし」創刊号と創刊2号の表紙は近藤圭子でしたが、4月号(創刊4号目)からは小鳩くるみが表紙でした(創刊3号目は未確認)。少なくとも1958年までは小鳩くるみの表紙でしたので、約4年程は表紙を飾っていたようです。本名は鷲津名都江で、わしづなつえというひらがな名義でもテレビなどで活躍していました。現在は目白大学外国語学部英米語学科教授で、マザーグース関連の研究では有名な方でもあります。ちなみに左の1955年4月号の表紙の頃はまだ7歳でした。

 1950年代後半の少女の憧れの一項目にはやっぱりバレエという要素がありました。ですからバレエのグラビアもチラチラと見受けられます。

 

 左上は1955年5月号のグラビアでモデルは鰐淵晴子。右上も同じ鰐淵晴子で、1956年2月号のものです。当時はまだ10歳でした。下は1957年5月号のグラビアで右が松島トモ子、左は小林節子で詳細不明ですがなかよしの読者モデルだった人のようです。
 1960年代になると実際のバレリーナをモデルにしてグラビアを作っていましたが、1950年代後半は子役を使ったグラビアが中心でした。

 創刊から2年くらいはあまり漫画の比重が高くありません。人気の中心は絵物語だったり、写真物語だったりしました。

 

 

 上2つは勝山ひろし。左下が江川みさお。右下が糸賀君子です。人気の挿絵画家は少女雑誌に引っ張りだこだった時代です。

 

 こちらが写真物語(雑誌によっては写真小説ともよんだ)。左は上田みゆき主役の「ふたつの花」。右は松島トモ子主役で「お千代捕物帳 きえた金獅子」。

 

 創刊してしばらくの漫画での人気作はやはり手塚治虫。ひだりの「とんから谷物語」は、1955年1月号(創刊号)から1956年3月号まで掲載。右の「虹のとりで」は、1956年5月号から1957年3月号までの掲載でした。

 

 

 創刊から2年ほどすると漫画も充実し始めます。左上は1956年10月号掲載、松本かつぢ「ミミ子ちゃん」。右上は1957年5月号掲載、谷川一彦「星はみている」。左下は1957年7月号掲載、永島慎二「サトコは町の子」。右下は1957年7月号掲載、鈴木光明「あらまあ物語」。

 最後は読み切り作品をひとつだけ紹介。1957年7月号掲載、山田えいじ「まなつの天使」です。わずか6ページの読み切り作品ですが、なかなかの佳作です。この翌月の8月号から名作「ペスよおをふれ」が連載開始されます。

 ところで余談になるのですが、1955年8月号の表3(裏表紙の裏側)にこんな広告がありました。

 小さくてちょっとわかりにくいかもしれませんが、養命酒のマンガ広告です。きねぶちやすお(杵渕やすお)作画「メイ子ちゃん」です。まあ養命酒のメイ子ちゃんということでしょうか。マンガを利用した広告といえば「日ペンの美子ちゃん」が有名ですが、広告マンガの元祖ってどんな作品だったのでしょうか。ちょっと興味あります。

 最後に巴里夫復刻シリーズ。お待たせしましたようやく「5年ひばり組」8巻(最終巻)が販売開始です。今回は200ページなので値段ちょっと下がって1500円です。遅れております「今日も欠席」は来週にも販売可能となると思われます。「5年ひばり組」8巻をご注文で、「今日も欠席」も購入ご検討の方は一緒に発送するようにお取り置きも致しますので、ご用命ください。

 来週の予定ですが、雑誌ばかり続いたので久しぶりに単行本とか出したいと思います。よろしくです。

 

 店主の拙文掲載「漫画の手帖62号」が届きました。今回の店主の拙文は、志賀公江「ビーナスへの道」に関してです。年末のコミケで販売されます。当店でもちょっとだけ入荷しております。こちらもよろしく〜。

 

 

 

12月3日(土)
天気(雨)

 

 本格的に冬の寒さが到来です。といってもずいぶんと遅い冬の到来ですが。2011年もあと残すところわずかとなりました。年末にかけて数は少ないですが、レアなところを出していきたいと思います。

 今週は講談社少女クラブ10冊です。1960年〜廃刊した年の1962年までです。売り上げ部数が少なくなったのか1962年の少女クラブはあまり出て来ません。

 講談社「少女クラブ」は、1923年(大正12年)に「少女倶楽部」の誌名で創刊されました。創刊号は1923年1月号なので厳密には1922年12月の刊行だと思われます。1946年4月号から誌名を「少女クラブ」へ変更。1962年12月号をもって廃刊。丁度40年間続いた雑誌です。1962年8月号中の記載で次の9月号で通巻500号に達するとありますので、創刊〜廃刊まで通算503号(増刊号含む)刊行されたようです。更に1962年8月号までの累積部数は1億6300万部と記載されておりますので、単純平均しても32万部くらいの発行部数は維持していたようです。

 

 廃刊した理由は、部数低迷もあるのでしょうか、基本的には「週刊少女フレンド」を刊行するためだったようです。1962年8月号には新人発掘のための「少女クラブまんがスクール」を終わらせるなど、廃刊するための事前準備をしていたフシがあります。

 まずは今回の見所。

 

 西谷祥子の最初の作品、「ふたごの天使」です。左は1961年11月号掲載分。右は1962年8月号掲載分です。厳密に言うとデビューとなる一番最初の掲載は、1961年夏休み増刊号ですので1961年11月号掲載分は2作目ということになります。1961年11月号は1ページ掲載、1962年1月号は6ページ掲載、1962年4月号、8月号では8ページの掲載となっています。
 このあと「少女クラブ」が廃刊してしまうので、西谷祥子は高校卒業後、家業の美容師の資格をとってから上京し、水野英子のもとでアシスタントをしながら別冊マーガレットで再デビューするようです。

 

 1960年代前半の少女の憧れは、なんといってもバレリーナ。バレリーナのピンナップは必須の時代でした。左は1960年6月号掲載の大原永子のピンナップです。右は1961年6月号掲載の森下洋子のピンナップです。ちなみにこの1961年6月号のピンナップが今のところ当店で扱った森下洋子関連のもので一番古いものです。この当時まだ12歳でした。

 

 バレエ関係の作品をこの時期描いていた細川知栄子も人気作家の一人でした。左は1961年11月号掲載、「母の名よべば」。右は1962年4月号掲載、「ふたりの白鳥」です。

 

 もう一人の人気作家が水野英子。1960年1月号から連載を始めた「星のたてごと」。左は1961年4月号の扉です。右は1962年4月号の扉ですが、作画が水野英子ではなく下川洋子になっております。この時目の病気で急遽代筆となったようです。この時の経緯はサンコミ版「星のたてごと」第3巻のあとがきに載っています。

 ちなみにこの時期、武内つなよし「わんウェイ通り」にも代筆が入っています。

 

 左は1960年6月号の第1回です。作画が横山まさみちの代筆になっております。右は1961年3月号掲載、武内つなよし自身の作画です。
 いまならば代筆ではなく休載となるところですが、やはり当時は代原などの習慣もなく、とにかく載せることが必須だったようですね。

 

 今回の見所をもう一つ。あすなひろしの初期作品です。あすなひろしのデビュー作は少女クラブ1961年お正月増刊の「まぼろしの騎手」です。厳密に言うと少女ブック1961年お正月増刊号にも「南にかがやく星」という作品が掲載されましたので、どっちが本当のデビューかは微妙なところですね。左上は1961年10月号掲載「さいごのジャック」です。「3まいのハート」という連作短編の第1話になっております。右上は最初の連載作品(といっても全3話ですが)、1962年1月号掲載の「白い夜」第1話です。下も同じく連載作品、1962年4月号掲載の「ちいさなうた」。こちらも同じく全3話です。まだ絵柄が完成する前のあすなひろしの作品群です。

 最後に”少女クラブまんがスクール”の話題をひとつだけ。

 

 左の画像は1962年8月号の”少女クラブまんがスクール」です。これが最終回です。いつから始まったのか詳細がちょっと不明ですが、この号に約1年続いたと記載がありますので恐らく1961年の夏ごろから始まったのだと思われます。右の画像はちょっと部分拡大したものです。岸裕子、高階良子、志賀公江の名前が見受けられます。

 岸裕子は1967年の週刊マーガレット増刊号掲載「よわむし先生」でデビュー。デビューした年が17歳なので、この少女クラブへの投稿時は12歳だったと思われます。

 高階良子は若木書房「ゆめ」62号(1965年2月号)掲載の「リリ」でデビュー。この少女クラブへの投稿時は16歳だったと思われます。

 志賀公江は1967年の週刊マーガレット増刊号掲載、「走れ!かもしか」でデビュー。この少女クラブへの投稿時は14歳だったと思われます。

 結局講談社でデビューした人は、いなかったようです(^^;;

 来週もちょっとだけレア物の予定。時間があれば雑誌で時間がちょっととれなければ単行本になるかもです。

 巴里夫「5年ひばり組」8巻(最終巻)も来週には販売できる予定です。

 

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮