今回は同人誌です。「千明初美・未発表作品集『ときめき』」。
1977年1月に迷宮’77より漫画新批評大系叢書Vol.2として発行されました。
装丁はB5サイズで140ページ。5つの未発表の短編が収録されております。
千明初美は1970年りぼんコミック11月大増刊「雪の夜の物語」でデビューしますが、デビューしてから1975年ころまでほとんど作品を発表していませんでした。この同人誌はその空白期間を埋める貴重な資料です。
店主が10年かけて探してようやく見つけた1冊です(^^ゞ。では内容紹介〜。
「ひとりぼっちのユミール」
1972年12月〜73年2月にかけて執筆。北欧神話の世界創造説話である、ユミール譚をマンガ化したもの。全31ページの作品。後に1983年1月号JUNEに掲載された「ギンヌンガ・ガップの伝説」の元になる作品でもあります。
「ときめき オリジナル版」
1971年執筆。24ページ作品。
りぼん1972年お正月大増刊号に同名の作品が掲載されているが、こちらはそのもととなった作品です。恐らくネーム段階で没になったものじゃないかと推測。でも個人的にはりぼん版よりこちらのオリジナル版のほうが好きです。りぼん版はちょっと救いがない話になってるので(^^ゞ。
ちなみに本同人誌の表紙は、りぼん版の「ときめき」の扉絵を流用しております。
「ケンタウロスの恋」
1970年2月執筆。25ページ。
ケンタウロスがニンフに恋をするという、ファンタジー系のお話。デビュー前の作品。
「雨の月曜日」
1970年5月執筆。20ページ。
お母さんと小学生の少女の心の交流を描く心温まる作品。こちらもデビュー前の作品。
「若葉のささやき」
1974年作品。36ページ。
コーラス部の部長(女性)に淡い恋心と憧れをよせる少女のお話。商業掲載されなかった理由はちょっと不明です。
今回の商品のコンディションは、古い同人誌にしてはシミなどもなく並上品です。
|