『みならい天使』は、週刊少女フレンドの創刊号(1,962年12月)から約8ヶ月間通算31回にわたって連載された。創刊時の少女フレンドの漫画作品はわずか4本しかなく、31回という連載回数は当時としてはかなり長い連載であった。
作画の赤松セツ子は、昭和30年前半から貸本漫画を中心に精力的に活躍したマンガ家で、この頃は若木書房の少女マンガの看板的存在でもあった(若木からは70冊近い単行本が出た)。
原作者の太田久行は、美濃部都知事の秘書を務めた人物で、後に童門冬二(どうもんふゆじ)のペンネームで歴史小説やビジネスマン向け啓蒙書などを執筆する。近年のヒット作には『小説 上杉鷹山』などがある。
内容は、東京の国立病院を舞台に新米看護婦として地方から上京した若松麦子の活躍を描くものである。作中を通して一貫したストーリーはないが、週刊連載を意識して(連載は当初16ページ単位、後半から10ページとなる)、ヒキを作るために細かい事件が頻繁に発生するというめまぐるしい展開を辿る。近年の長期連載の漫画を見慣れた目からするとかなり新鮮に映ります。
赤松セツ子の週刊誌初連載作品でもあり、代表作ともいえます。赤松セツ子の書き下ろし単行本はあまり珍しくないのですが、このフレンド連載の単行本、まして全3巻揃いはかなり珍しい物です。
状態は全体的に大きな難はありませんが、細かいシミや少欠け少サケが多数。カバー背に少痛みや少ハゲもあり、全体評価としては並下になります。
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