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『赤い火と黒かみ』
U・マイア
昭和33年3月号 講談社「少女ブック」付録
値段:20,000円 売切



 

 かなり有名な話なのでことさら説明は不要かも知れないけれど、”U・マイア”は、水野英子・石森章太郎・赤塚不二夫3名の合作ペンネームです。

 「赤い火と黒かみ」は、U・マイアの記念すべき第1号作品である。この合作をプロデュースした、少女ブック編集者の丸山氏に依れば、当時水野英子はまだ下関に在住であった。 作画の進行は、石森・赤塚がストーリーを決め、石森がコマ割とアタリを入れた原稿を下関まで郵送し、水野英子が主人公にペン入れし送り返されたものを赤塚が最後にまとめ上げるというものだったらしい。

 郵送による作業はやはり困難を極めたらしく、以後の合作作業(「くらやみの天使」「星はかなしく」)を行うために、結局水野を東京に呼び寄せることとなる。水野英子が上京するきっかけを作った作品でもある。

 ストーリーは、旧約聖書士師記13−16のサムソン譚から採ったと扉に記載があるが、直接的にはセシル・B・デミルの「サムソンとデリラ」(1949米:日本公開1952)から着想を得たのではないだろうか。 原作とはラストが大分異なり悲恋ものの仕立てとなっている。全64ページ読切り。

 併載は、むれあきこ「ミコちゃん」32ページ読切り、木山シゲル「月光の天使」64ページ連載。

 経年程度のヤケと少シミはあるが、サケなど無く状態は良好である。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮