店主の雑文

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腐海のほとりに佇んで    藤下真潮
「この四コマ漫画を読め! ただし萌え四コマは除く 竹書房編」
初出:「漫画の手帖 70号」 2016年3月31日発行

 

 一応まずは正式サブタイトルを。今回は「この四コマ漫画を読め! ただし萌え四コマと実話系四コマ漫画は除く(だって読んでいないから)、でもたまにショートコミックは含む(だって好きだから) 竹書房編」です。
 では毎度恒例の余談話から(笑)
 竹書房のビルは、JR総武線飯田橋駅と地下鉄九段下駅のちょうど中間辺りに建っております。店主はたまにこのビルの目の前の目白通りをテクテクと歩いて通ることがあります(全くもってどうでもよい話です)。
 竹書房といえば、新人漫画家の原稿料は支払われてもすぐに麻雀で回収されてしまうとか、初めて竹書房に訪れたマンガ家は編集部より先に近所の雀荘に案内されるとか、まことしやかな都市伝説があります。まあ都市伝説なんですが、あながち否定しきれないところが竹書房らしいですね(笑)。
 更にトリビアネタをもうひとつ。グーグルマップで竹書房を検索すると、竹書房ビルの正面ではなくて、裏手のゴミ箱(笑)が表示されます(本当です。ただし2016年2月現在)。
 ところで竹書房の社名の由来調べてみたのですが、イマイチワカリませんでした。普通だったら”破竹の勢い”に掛けてアルとかなんだろうです、まさか竹牌てわけじゃあないですよね(汗)。


 さて話を戻します。竹書房は、1972年に創業。『月刊近代麻雀』1973年1月号を創刊。当初はマンガの載っていない文字中心の麻雀専門雑誌でした。1977年ころから麻雀漫画中心の増刊号を刊行するようになり、1981年になってギャグ漫画専門誌『ギャグダ』を創刊。これは84年に『まんがライフ』に改題されます。これが四コマ雑誌始める切っ掛けとなります。さらに1986年『天才クラブ』を創刊。こちらも87年『まんがくらぶ』に改題。

 てなわけで現在竹書房が刊行している四コマ系雑誌は、『まんがくらぶ』、『まんがライフ』、『まんがライフオリジナル』、『まんがライフMONO』、『まんがライフSTORIA』、『本当にあった愉快な話』、『本当にあった愉快な話芸能ズキュン!』の7誌。
 前回みたいに1誌だけ紹介して終わっちゃうのもナンナンで、今回は各誌ごとに紹介します。

『まんがライフ』 (毎月18日発売)
 筆頭に上げたけど実を言うとあまり読んでない(汗)。正確に言うと一年に一回1月号だけ買ってます(1月号は11月17日発行)。なんで1月号だけ買うかといえば、魔夜峰央「眠らないイヴ」が掲載されるから。これは年に1回連載という珍しい漫画で2001年(推定)頃から連載されている。内容的にはイヴくんという美少年サンタクロースの各話読みきり形式の四コマ。各回4ページなので単行本1冊分貯まるのが推定2025年という実に気の長い連載漫画です。


 最近の四コマまんがはどうも性に合わない方には、四コマ漫画界の良心とでも言うべき植田まさしの「新フリテンくん」も載ってます。ちなみにタイトル見ればわかるように、もともと『近代麻雀』に掲載されていた麻雀ネタ中心の四コマでした、『まんがライフ』移籍後は、麻雀ネタがなくなるどころか主人公のフリテンくんも扉ページに出てくるだけで、作中には一切出てこないという健全仕様になっちゃってます。


 でもまあ漫画の手帖読者には、竹本泉「がーでん姉妹(シスターズ)」あたりが安牌かも知れません(根拠ないですけど)。ちなみに四コマじゃなくてショートコミックです。

『まんがくらぶ』 (毎月4日発売) 略称「まんくら」
 実はこれもあんまり読まない(笑)。てな訳で久しぶりに買ったら、雨がっぱ少女群がロリエロ漫画から転向していてビックリした。「麻衣の虫ぐらし」って「虫愛ずる姫君」みたいな話なんでしょうか。1話目を読んでいないのでちょっと設定がわかりません。
 『まんがくらぶ』の看板作品はたかの宗美「有閑みわさん」。1日の家事を1時間で終えいつもヒマになる優秀な主婦音無みわ(旧姓三輪)


 同人歴も長い小坂俊史のデビュー作「せんせいにはなれません」。そろそろ18年目に突入。小坂俊史は最近同業者と結婚したらしい(後述)。


『まんがライフオリジナル』(毎月11日発売) 略称「らいおり」
 以前「とーこん家族の謎」(漫画の手帖TOKUMARU11 2015年1月10日発行に掲載)で散々紹介しちゃったんで素通りしようかと思ったんですが、まあちょっとだけ。


2016年1月号から、小坂俊史「新婚よそじのメシ事情」という食漫画が始まりました。扉ページの柱書には「ほぼノンフィクション」と記載されております。小坂俊史は、2015年6月に結婚しました。お相手は同業者の王嶋環。王嶋環は芳文社で四コマまんが書いたり欧文廉二(オーブンレンジ)の名義でコミティア等で同人活動もしております。知り合ったのは芳文社経由なのかコミティア経由なのかどちらなんでしょうか(下世話な話でございますが、気になります)。
『まんがライフMOMO』(毎月28日発売)
 一応萌え四コマ誌に相当するので素通りさせていただきます。

『まんがライフSTORIA』(奇数月最終日発売)
 四コマ誌ではなくショートコミックス誌です。月刊ではなく隔月刊なので何年何月号の表記がなく通巻表記です。2016年2月現在16号まで出ております。


 看板作品は、鳴見なる「ラーメン大好き小泉さん」。早見あかり(元ももクロ)主演でドラマになったり、ラーメン女子博(最近はそーゆーイベントが有るのですよ)とコラボしたりと人気絶頂。店主はそれほどラーメン好きなわけではないけど、このマンガ読むと無性にラーメン食べたくなる。


 もいっちょ紹介、美川べるの「漫画の森から女子高生」漫画の森っていっても某O口さんが勤めてた今は亡きマンガ専門書店の話ではありません。ズブの素人の女子高生2人組がマンガ家目指す話です。
 ちなみにこの扉絵は「美少女が裸にリボン巻きつけてセクシーポーズ取りながら手作りチョコをあーんしてくれている」図だそうです。ここまで下手に描くのも才能入りそうです(汗)。
 お次はまたもや小坂俊史のマンガです。終わりをテーマにしたショートコミック「これでおわりです。」が今回の16号で最終回。結構好きだったのに残念。小坂俊史は四コマよりもショートコミックスが上手いと再認識した作品でした。

『本当にあった愉快な話』(毎月30日発売) 略称「ほんゆ」
 実話系四コマなんで、これも素通りしようかと思ったんですが、あんまり素通りばっかりでもナンナンで先ほど駅前の書店で超久しぶりに購入してきました。
 <特集>潜入!事故物件 
・ストーカー大家が合いカギで侵入してきた! 
・孤独死で腐った遺体の臭いは意外と甘い!?
・火ダルマ男が乱入してきた不吉なアパート


 表紙の煽り文句を読むとあんまり愉快そうじゃないぞ(汗)。でもチラチラ読んでいたら、あっ!只今絶賛消息不明中だった高嶋あがさ(漫画の手帖B録19号2015年8月16日発行を参照)の「実家が事故物件編:私の部屋で人が死んでた」が載ってる。良かった消息不明じゃなかった。しかしこのマンガもあんまり愉快な話じゃないなあ(泣)。


 他にも特集とは無関係に村上たかし「されど父になる」とか、えびはら武司「まいっちんぐまんが道 〜藤子スタジオアシスタント日記〜」、青沼貴子「気の合う女友達は三千里さがさなくてもいる」等の古参マンガ家の作品も目白押し。


 更に須賀原洋行「よしえさんのクッキングダンナ」には、実在のニョーボよしえサンが非実在のニョーボよしえサンになって登場しているぞ。
 結構読みでがあるなぁ。うん、たまには買ってみるもんだ。でも付録つき480円はちょっと高い(汗)

『本当にあった愉快な話芸能ズキュン!』(毎月14日発売) 略称「ズキュン」
 もともとは『本当にあった愉快な話』の増刊号『愛のイトナミSpecial』が母体で、その後『本当にあった愉快な話DX』として独立創刊。芸能界ネタの比重が高くなったので『本当にあった仰天スクープまんがズキュン!』に改題。その後更に『本当にあったゆかいな話芸能ズキュン』改題し、更に更に2014年にビックリマークを付与してようやく現在の誌名に。竹書房って改題するの好きだね。
 これも買ってみようかと書店で手にとって表紙を見ました。
<特集>前科持ち芸能人
・ [クスリ編]長B剛/岩K滉一/井○陽水
・[傷害編]デヴ○夫人/M園真聖/M原じゅん子 
・ 今後どうなる?SM○P/まだまだ泥沼Bッキー&ゲス乙○・K谷
 そっと棚に戻しました。すいません芸能ネタは超苦手なんですよ。勘弁してください(泣)。

 

 

 あとがき:2017年12月現在。グーグルマップで竹書房を検索するとちゃんと表側の看板が表示されます。良かったね(^^)

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮