あるいは電子書籍でいっぱいの海 第20回
以前もいろいろ書いたのだけれども、THE SEIJIとの腐れ縁は実に16年の長きに渡る(腐ってはいるけど爛れた関係はないよ〜)。どのように腐っているかを書き連ねると、モー際限なくいくらでも書けるが、なかでも一番腐った縁といえばやはり「WAVE(ウェーブ)」の事となる。
「WAVE」とは、かつて秋田書店で連載された、青春3バカスチャラカIT物語といった感じの連載漫画であった。
連載開始はヤングチャンピオン2007年1号(2006年12月発行:月2回刊)で21話からヤングチャンピオン烈(当時隔月刊)に移籍(要は左遷である)。アンケートは低迷を極めながらも、2010年3号まで全35話で第1部完となる。第1部完といえばなんだか聞こえは良いが早い話が打ち切りである(笑)。
作画:THE SEIJI、原案:藤村ZEN、監修:藤下真潮と表記されたが、実態はちょっと違う。原案者の藤村ZENは、「WAVE」の主人公牛嶋繕のモデルになった男ではあるが、実態としては原案にも原作にも参加はしていない。基本的な原作はSEIJIの仕事で技術的なアイディア出しは監修者の私がやっていた。一部では堀川のモデルが私で、矢部のモデルがSEIJIじゃないかとも噂されたが、そこら辺は監修者もよく分からない謎なのよ(笑)。
全体の方向性はSEIJIが決めて、その間の細かいネタ出しは私がやって、SEIJIがネームを切る、技術用語の解説や扉のネタ(毎回懐かしのコンピュータを扉に使った)決めは私が行う、そしてたまに原作も書いた。
まあそんなかんやで連載は続いたが、毎回掲載誌は届かないは、SEIJIは電話に出ないわで(酔っ払って寝てること多し)、結構ストレスは溜まった。でもまあ10年も経てばそれはそれで、みんないい思い出ではある。
連載は結局約3年35話続いた。単行本は2007年12月20日に第1巻(10話まで収録)が出て2008年7月18日に第2巻(20話まで収録)が刊行されたが、単行本の重版出来はなく、続巻の刊行もう望めなかった。
少し余談になるが、連載終了に呼応するように「漫画の手帖」から声がかかった。捨てる神あれば拾う神ありだなぁなんてことをチラッと考えた(原稿料はないけどね(笑))。
2013年頃になると漫画の電子書籍化がブームになる。続巻が出なかかった「WAVE」も電子書籍なら自分で出せるんじゃないかと考えた。SEIJIに相談してみると、事務所引っ越しの際に原稿1話分が不明になっているのと、後半から電子入稿、電子写植が進んでいるため原稿に写植が貼り付けられていないことが判明した。15話分も写植を打ち直すのはかなりの作業だし、ネームもちゃんと残っていないのでセリフも掲載誌を確認しなければならない。てなわけであっさり計画は頓挫。
2016年ころのことになる。この「WAVE」の電子化をしたいという、世にも稀な奇特な人が現れる(笑)。少々ウダウダしつつ2017年の末頃にさあ具体化しようという話でSEIJIとその奇特な方も含めて話し合いをした。そんじゃ秋田書店に電子化に対して仁義を切りましょうということで話を持ちかけると…、実は秋田書店側にも電子化の予定があるとの返事が帰ってきた(汗)。
そんじゃまあ本家本元に任せましょうという経緯で、ようやく刊行にこぎつけたのが今回の「WAVE」未刊行3巻4巻含む電子版全4巻である(わー、ようやく本題に入ったよ)。
2018年の年末ころには出ますよと聞いていたが、結局刊行されたのを知るのは、まったく他人のツイートからという冗談のような話。でまあ、せっかく出たから内容紹介兼ねて宣伝でもしようかと思ったが、よくよく考えると献本がされていない。刊行の知らせどころか本も貰ってないぞ(電子だからね)。
まあ仕方がないのでアマゾンでキンドル版を購入しました(泣)。しかし3巻、4巻は1巻あたり7話分136ページしか収録されていないぞ。電子版だから気が付かないけど紙の本だったら露骨に薄いぞ(笑)。
まあ、それでようやくこの文章書いてます。久しぶりに読み返す3巻、4巻分(21話〜34話)。こんな話だったっけ〜てな部分が結構ある。10年も経つとずいぶんと忘れるのはやっぱり歳のせいか(笑)。
ふと気がつくと最終回が34話だ。1話分がどっかに消えてるぞ。散々悩んでSEIJIに電話して1話足りないけどなんか編集加えたかいと聞いてみたが、そんなことは一切していないとの返事。ウ〜ンと散々悩んでようやく思い出した。第1話が欠番だったのよ。でもなんで第1話が単行本未収録になったのかは全く思い出せない。やっぱ歳だわ(泣)。
そんなこんなの「WAVE」全4巻です。みなさんが読んでくれると店主にも印税ががっぽり(笑)。と、ここまで書いて気がついた。この電子版の印税っていったい幾らよ。今回出るにあたって全く一切説明聞いていないんですが〜(泣)。まあ、売れない漫画の電子書籍の印税なんてどうせ年間数百円くらいだろうな(笑)。でも、みんなが読んでくれると店主はちょっとうれしいぞ。(今回秋田書店を大分ディスったようなこと書いてますが、別に恨みとかはまったくございません。連載中の監修料は結構頂いて感謝しているくらいですし、非常に貴重な経験させていただいたと思っております。さらに当時の編集長で現在秋田書店の社長も私は人物的に大変好感持っております(笑))
アマゾンへの「WAVE」販売サイト
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